第5章 体育祭!!
少しして走ると、障害物らしきものが目に入った
《さあいきなり障害物だ!
まずは手始め!第1関門ロボ・インフェルノ!!》
「入試ん時の0Pヴィランじゃねえか!」
「ええ?!A組の人達あんなのと戦ったの?!」
沙織が上鳴君の言葉に驚く
確かにあれはすごい
普通科では太刀打ち出来ないだろう
でも、ヒーロー科は違う
「せっかくならもっとすげえの用意してもらいたいもんだな
クソ親父が見てるんだから」
轟君がロボに立ち向かっていく
氷を使い、見事に倒していっては先に進んでいく
(もうここら辺で良いかな……)
《1つ言っておくが、手を抜こうとしたらただじゃおかねえぞ》
「……」
相澤先生が実況でそう言った
それに実況席を見る
相澤先生の目はやはりこっちを見ていた
何やら口を動かしている
(口パク?)
は・し・れ・み・つ・き
ーーーー 走れ充希
「………べ〜」
これ以上目立ちたくない
私は普通に生きたいのだ
そう思っていたのに
「ん?」
何かが迫ってくる気配がした
(な、なに?)
キョロキョロと周りを見るも、何もいない
「?」
「充希後ろ!」
「え?」
千春が慌てたように叫ぶ
後ろを見る
しかし振り返りざまに浮くような感覚になった
「な、なに?!」
私はいきなり空に浮いていた
もちろん何もしていない
「よっ、お姫様
一緒に空の旅と行こうぜ」
低い、男子特有の声
優しい、聞き慣れた声
「…」
暗い、群青色の髪
まるで海を閉じ込めたようなエメラルドグリーンの瞳
「風磨?」
「久しぶりだな、中2の頃より綺麗になったじゃん」
ポカンと驚く私をお姫様抱っこにして空を優雅に飛ぶのは、猿飛 風磨だった
「は」
「は?」
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」
「わっ!なんだよ!」
「ななな、なんで風磨がここにいるのよ!!」
「だから言ったじゃん、楽しみにしてろって」
「意味分かんない!!」