第5章 体育祭!!
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体育祭当日
だだっ広い会場は観客のザワザワとした会話に包まれている
その内容はこれから起こる体育祭に期待するもので、私達を緊張させていく
「お、多い…」
「当たり前でしょ、なんせここは雄英だよ?」
「まあまあ落ち着いてください千春
沙織もそんなに歯を鳴らしちゃ折れますよ?」
「(カタカタカタ)」
「「(駄目だこりゃ)」」
あまりの緊張に、顔が固まっていく
せっかくの笑顔も、不自然なくらいになっていた
「もうすぐですね…」
「そうだね…すごく不安だわ…」
「はぁ……あと15分くらいでしょう?
今のうちに落ち着かないと絶対アガっちゃいます」
「(コクコク)」
公の場はとても緊張する
こんなに大勢の人が集まるなんて経験した事がないので、ただハラハラしていた
「糸仲」
「ひゃい!」
突然名前を呼ばれた
緊張していたので変な声を出してしまう
(やばい……最悪だ…)
後ろを振り返る
「し、心操さん……」
なんとなんと
名前を呼んだのは、あの心操 人使君だった
「ごっほん
ええと、何か?」
「ああ、ちょっと話したいなと…思って……たんだけど…」
(あああああ!困ってる困ってる!!ほんとタイミング悪すぎるよ!!)
心操君はさっきの私の声で気まずくなっていた
私も気まずすぎて汗が滝のように流れてくる
「「(どうしよう…)」」
お互いにこう思っていると、救世主が現れてくれた
「あー、じゃあ私達はもう行こうか」
「そ、そうだね沙織!
それじゃあ充希、私達は向こうで待ってるねー!」
「……アリガトウ!!」
全力の小声でお礼を言う
気を利かせてくれた2人は天才だ
本当に大好き。
心操と充希だけになった空間は、異様なまでに冷えている
が、せっかく2人が作ってくれたチャンスだ
無下には出来ない
「あの、話とは?」
おそるおそる口を開ける
変なやつと思われなければ良いのだが
しかし、それは杞憂だった