第5章 体育祭!!
『相変わらずの塩対応だなあー、さすがの俺も傷付くぜ?
なんせ綺麗なガラスのハートなんだからさ』
「はは、あんたがガラスのハート?笑わせないで」
『ひでえわ……まあ用があって電話したんだ
お願いだからまだ切るなよ』
「チッ」
『そのつもりだったのかよ……』
「で?セールスマンが一体なんの用ですか?」
『んなもん愛する女の心配してるからに決まってるだろ』
「うげ…」
電話をかけてきたのはかつての友人
そして、気持ち悪いほどのストーカー
猿飛 風磨(サルトビ フウマ)君だ
『ニュース見たぜ、大丈夫なのか?』
「へ?そっちでも流れてるの?」
『ああ、俺が見たのはついさっきだけどな
まあ大規模な襲撃事件があったんだから、アメリカでも分かる』
「へぇー、ちょっと意外」
『各国はそれだけ今回の事件の犯人達を警戒してんだよ
そんで、襲われたのはお前なのか?』
「なんでそうなるの」
『テレビにお前が運ばれる姿が小さくだけど映ってた』
「あー」
風磨の言葉に納得した
確かにいち早く駆けつけたメディアがいた
あれはアメリカ担当のテレビ局だったのか
『俺がいない間に何があったんだよ?』
「風磨がいない間?まるで私の恋人みたいな言い方だね」
『お前が唯一猫被らない同級生は俺だろ?』
「唯一ストーカーされてる男だよ」
『ははは、俺は真面目だけどなぁ』
「よく言うよ……」
猿飛 風磨
彼は私の小学5年からの付き合いで、中2までそこそこ仲良くしていた男の子である
「ていうか、アメリカから電話かけてきてるの?
お金かかるでしょ?」
『少しくらいは大丈夫だよ、それにかかったところで金には困らない』
「そういう使い方してると貧乏人になるよ」
『はは、上等』
風磨はずっと楽しそうに笑う
「……わざわざその為だけに電話かけてきたの?
アメリカに渡ってから1度も連絡寄越さなかったくせに、その為だけに?」
『そうだって言ったら?』
「…アホらし」
(ほんと、なんで今になってかけてきたのか……)