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【ヒロアカ】ヒーロー嫌いの雄英生徒

第4章 襲撃




それは悲痛な叫び

聞いているだけで心に刺さる、悲しい叫び


それに相澤は何も答えない
が、充希は普段の「姉の仮面」が壊れたように泣きじゃくって心の内を吐き出していく



「生徒を守るために仕方なかったのは分かってますっ!
それがヒーローだって事も分かってます!!
でも!あんなになる事はないでしょう!!」


そこでやっと、相澤は答えた


「そうだ、あんなになる必要はなかった
お前の言う通り、もっと上手く立ち回れた
だけどな、俺はプロヒーローだぞ充希」

「ッ……」

「守るために立ち向かう、それがヒーローだ
生徒を守るために1人でも戦う、それが俺だ
だから重症になる必要があった
全力で守らなければならないから、俺はあんなになったんだ」


その言葉は彼女に重くのしかかるだろう


ヒーロー嫌いの充希には、ヒーローとしての責任を教えれば教えるほど深く傷付いていく













「それがヒーローの在り方だ」











そう言うと、充希は俯いた
相澤に顔が見えないように、顎を引いたのだ



震えながらも、彼女は必死に言う




「だからなんなんですか…そんな事は分かってますよ」

「…………………」

「それがあなたのヒーローだとしてもっ………
死んでしまったらどうしようもないじゃない…」

「…………………」

「私には、誰もいない
母も、父も、姉も弟も、誰もいてくれない
だから、私には…………
もう、今の私にはっ………」












ーーー 相澤先生しかいないのだ ーーー












その続きを、相澤は分かっていた

そしてその言葉は、ひどく嬉しい言葉
それほど大切にしてくれているのだと想える言葉



でもそれは、逆手に取れば"孤独"を表しているのだ









相澤は言った

「充希……」

「…………」

「俺は死なねえよ」

「…………」

「俺はそんなにヤワじゃない
だから心配しなくても死ぬつもりなんてない」

「ッあなたは……!」

「でも、その言葉は頭の片隅に残しとくよ」

「っ…」

「お前のおかげで助かった
ありがとう」





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