第4章 襲撃
しかし、爆豪君が避けたのではない
「加減を知らんのか」
オールマイトが瞬時に爆豪君を助けたのだ
おかげで爆豪君は怪我をせずに済んだ
死柄木が言う
「仲間を助けるためさ、仕方ないだろ?
そこの鎖の女も、プロヒーローを守るために俺に襲いかかってきた
他が為に振るう暴力は美談になる
そうだろヒーロー?」
こちらを指さして、自分を正当化していた
でもおかしい
何か変だ
そしてその違和感の正体を自分は分かっている
死柄木は、口ではそう言いながらも何とも思ってない
「俺はなオールマイト、怒ってるんだ
同じ暴力がヒーローとヴィランでカテゴライズされ善し悪しが決まるこの世の中に…
何が平和の象徴!所詮抑圧の為の暴力装置だお前は!
暴力は暴力しか生まないのだとお前を殺すことで世に知らしめるのさ!!」
「…めちゃくちゃだな、そういう思想犯の目は静かに燃ゆるもの
自分が楽しみたいだけだろ嘘つきめ!」
「…バレるの早」
死柄木はやる気をなくしたように急に力を抜く
しかしオールマイトは燃えていくばかりだ
「ヴィランよ、こんな言葉を知ってるか?!
さらに向こうへ!"Puls Ultra"!!」
そう叫んだオールマイトの一撃は、脳無を圧倒した
「すごい……」
素直に感心した
あの化け物相手にあんな戦い方が出来るのはオールマイト以外にいないだろう
「やはり衰えた
全盛期なら5発も撃てば充分だったろうに…300発以上も撃ってしまった」
その言葉にすぐに違和感を覚えた
(衰えたくせに300発も撃てるって………)
さすがは"平和の象徴"
NO.1ヒーローだ
「全然弱ってないじゃないか
あいつ、俺に嘘を教えたのか?」
「来ないのかな?
クリアとか何とか言ってたが、出来るものならしてみろよ」
死柄木とオールマイトがバチバチと燃える
その合間に入れる者は誰もおらず、皆見守るしかなかった
「さあ、どうした?!」
オールマイトが挑発するように叫ぶ
そして、いつの間にか死柄木の隣にいた黒霧が言った