第4章 襲撃
そこへ、オールマイトが近付いてくる
「よせ、糸仲少女
心配なのは分かるが、君は休んでいなさい
血が足りてないのだろう?顔が青白い」
「…………」
確かに、皮膚の色は薄くなっているだろう
今回失った血液量は相当のはず
恐らく630ml以上だ
それは結構危険な数値で、未成年にとっては危うい
「…分かりました」
大人しく言う事をきく
足でまといにだけはなりたくないのだ
そう言うと、オールマイトは敵に向かっていった
さっきの脳無を倒すつもりだ
そこでひとつ重要なことを伝える
「オールマイト!そいつはっ……」
「分かっている、来る途中に少し見えた
回復するんだろう?
だが大丈夫だ、私が何とかする」
そして、脳無とオールマイトは戦い始めた
気持ち悪くて吐きそうになっていると、後ろから轟君が背中をさすってくれる
「おい大丈夫か糸仲?」
「んー、大丈夫じゃ、ない
血が足りないからお腹減ってるし…フラフラするし…気持ち悪い」
「無茶するなよ」
「あはは…心配してくれてありがとう」
「…………今度は笑わないのか?」
「え?」
「…なんでもねえ」
「…?」
彼の言動にはいちいち疑問を感じる
?を浮かべることばかりだ
でも、今はそんな暇はない
「攻略された上にその子以外ほぼ無傷
すごいなぁ最近の子供は
恥ずかしくなってくるぜヴィラン連合」
いつの間にか蜘蛛の巣から脱出した死柄木が言った
隣にはチェーンソーのような刃を持つ男がいる
恐らくそいつが個性で切ったのだ
(痛みで意識が朦朧としてたからな……たぶん切れやすくなってたんだ)
死柄木のその言葉にオールマイトを見ると、彼は先程のような笑顔は浮かべていなかった
それどころか、怒りの表情で死柄木を見すえている
すると、体が割れた脳無がまた動き出した
やはり化け物だ
オールマイトからの攻撃を受けても動くのだから
「まずは出入口の奪還だ」
その瞬間、敵が爆豪君目掛けて飛んでいく
爆豪君が反応出来ずやられると思った時
「かっちゃん!避けたの!?すごい!」
いつの間にか、緑谷君の隣に爆豪君が移動していた