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【ヒロアカ】ヒーロー嫌いの雄英生徒

第4章 襲撃





「もう大丈夫だ、糸仲少女



私が来た!」








そう言うのは、2本のぴょんとはねた触角のような前髪と
鍛え上げられた立派な体格を持つ男の人










この世でもっとも頼れるヒーロー












"平和の象徴"と呼ばれる男
















「彼」が来たのだ













「オールマイト………」

「よく頑張ったな、あとは私に任せろ!」




オールマイトが来てくれた

やっと、助けが来たのだ



その頼もしい笑顔が不安だった心をほぐしてくれて


「……」

安心して、力が抜けてきた

涙が目に浮かぶ




「……」

オールマイトはそれを見て、お姫様抱っこしていた充希をゆったりと地面に下ろす

そして、優しく頭を撫でてくれた



「怖かったろう、もう大丈夫だ
君のおかげで、私が来る事が出来た」

その声は穏やかで、子供をあやすものだった

相澤先生にやられた時は、いつも「子供扱いするな」と言うが、今回ばかりはそうはいかなかった





「ありがとう」

オールマイトは静かに言う

その言葉が胸に残って、ついに涙は流れていった




「あー、それと………誰か上着を持ってきてくれ」

「?」

突然、オールマイトはタジタジしたように小声で言う
小声と言ってもオールマイトは元から声が大きいので丸聞こえだった


どうしてそんなことを言うのか疑問に思っていると




「糸仲少女、断腸の思いで言わせてもらうよ…………」

「?(コクリ)」

「…………その…………前が破けてるぞ…」

「前?」



オールマイトは気まずそうに目を逸らしては指を指す

その方向を見ると、私の「胸」があった
そう「胸」だ



「………………ぎゃあああああああああ!!
こんの変態ヒーロー!!!」

「んなぁっ!?」


そう叫ぶと、オールマイトはガーンと落ち込んでしまった
前髪のはねた触角がダラーと垂れている




(そうだ、"絡鞠"を使った時に胸から出したから破けたんだった…
ああもう!私の馬鹿!)



心底自分を殴ってやりたいと思う
こんな痴態を晒したとは情けない




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