第4章 襲撃
すぐさま私は答える
「あるわ」
「へぇ、脳無をあそこまで追い詰めたご褒美に聞いてやるよ
何が言いたい?」
何が言いたいか
そんなの決まってる
私はヴィランへは行かない
でも、死柄木を倒す力も残ってない
それに、その力があったとしても、倒せるかと聞かれれば自身はなかった
あんな目を見ては何か同情のような感情さえ湧いてきてしまう
だから、言った
《蜘蛛ノ巣窟 絡鞠》
「は…」
驚いたように死柄木が言うが、もう遅い
「ッ」
胸元辺りから大量の糸を生み出し、死柄木に突き刺す
「かはッ」
その糸は死柄木を貫通して、瓦礫と瓦礫にくっ付いては死柄木を浮かせていく
やがて、蜘蛛の巣のように広がり真ん中に死柄木を捕らえた
「何をッ…」
「蜘蛛の糸……頑丈な拘束技ですよ」
私が仕掛けたのは、対象を拘束する技
直接攻撃するわけじゃないので、糸が彼自身の体を貫通しているがダメージはない
充希が扱う技の中で、最も強い技だ
ドクン
「ッああああああああ!!」
痛い
身体中が引きちぎられるような感覚に陥る
凄まじい痛みのせいで、意識が飛びそうだった
でも、私は耐えた
(痛い…でも、耐えなきゃ
気を失ったら"絡鞠"も解けるっ)
手で瓦礫を握りしめて意識を保つ
血が出るが、放っておいた
それより全身が痛いのだから手の方は比じゃない
「くっ……」
よろよろと、おぼつかない足取りで立ち上がる
「これで……私の勝ちですよ……」
弱りながらも不敵に笑う
これでプロヒーローが来てくれればこちらの勝ちだ
そう思ったのに
ガシャァァ!!
「!」
脳無だ
また回復して立ち上がり、こちらへとやってくる
「糸仲さん!」
「糸仲!!」
危ないと感じたのか、緑谷君や轟君達が助けようとしてくれる
でも、遅い
脳無が拳を振り上げ、それが当たった
かのように見えた
「ッ……………?」
(攻撃が来ない?)
恐る恐る目を開く
すると