第4章 襲撃
上鳴君は元気よく返事をしてくれる
すると
「うェーい」
「へ?ちょ」
彼はなぜかそう言って、手を繋いできた
「うェ!」
「………怖いの?」
「うェーうェー」
上鳴君は首を振る
怖くないならなぜ?
「?」
「うェ!」
またそう言って、手をギュッと強く握ってきた
「…………………」
なんだか安心する
暖かくて、柔らかい手が元気づけてるようだった
「そっか…
私が怖がらないようにしてくれてたんだね」
「うェー」
「ふふ、ありがとう
それじゃあ行こっか」
「うェ!」
それから手を繋いだまま慎重に歩く
USJは酷い状態で、"ウソ"なんかじゃなくて"本当の"災害訓練所になっていた
「ひどいなぁ……」
「うェ〜…」
(皆はどこにいるんだろう)
その時、百ちゃんを見つけた
「っ百ちゃん!」
「え?!充希さん!?」
「怪我はない!?大丈夫!?」
「え、ええ、それは大丈夫です
それより、充希さんはどうしてこちらに……」
「あー、色々あったの」
「そう、ですか………」
「どうしたの?」
「…………いえ」
「? あ、そうだ
百ちゃん、早速で悪いんだけど電気君を預かってくれないかな?」
「へ?上鳴さんを?」
「うん、アホになってるの……」
そう言うと、上鳴君は元気よく返事する
「うェーい!!」
「あぁ、それは………」
「ごめんね、放っておくわけにはいかないから」
「分かりました、上鳴さんはわたくしが責任を持って守ります」
「ありがとう百ちゃん」
ニコッと笑ってその場を去ろうとする
すると、百ちゃんが呟いたのが聞こえた
「充希さんは……そう言った一面もあるのですね」
「へ?どういう…」
「いえ、なんでもありませんわ
それより気を付けて、この先では今相澤先生が1人で敵と戦っているのです」
「………………………え?」
今、なんと言った?
相澤先生が1人でヴィランと戦っている?
「それ、どうゆう………」
「わたくし達を守ってくれたのです
訓練開始と同時に襲われたものですから、プロヒーローが2人しか居なくて」
「ッ」