第4章 襲撃
そんな事を考えていると、睡魔がやってくる
ウト、ウト
「?」
目をこすってなんとか起きる
けど1度やってきた睡魔というのはしつこいもので、眠るまで何度でも襲ってくる
(ちゃんと寝たはずなのにどうして?)
ウト、ウト
「ん」
ああ、駄目だ
せめて教科書に隠れて寝よう
そう思った矢先、早々に意識が途切れた
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目が覚めたのは、夢の中
微睡むような空間の中で、私は起きているのか寝ているのか
いや、眠ったはずだ
ならなぜ今意識がはっきりとしているの?
「そもそも、ここはどこなの?」
見渡す限り見覚えのない場所
何も無くて、誰もいない
不気味になり始め何とか起きようと思った時
シャラン
「!」
音がなった
静かな、鈴らしき音
シャラン
「誰なの?」
また鈴の音が聞こえてくる
そして、それはどこか聞き覚えがあった
「……………」
徐々に、記憶が蘇ってくる
『どうしてお母さんは髪に鈴なんて付けてるの?』
『んー?この鈴がどうかした?』
『ううん、いつも付けてるからなんでだろうって』
『確かにそうね、私はいつもこれを付けてる
可愛いでしょう?シャランって』
『うん、すごく可愛い!
どこかで買ったものなの?』
『ううん、これは……
ある、大切な人から貰ったものなの』
『………それって、お父さん?』
『ふふ、さてさて、どうかしらね』
『むぅー!教えて教えて!』
『んもう、ふふふ
じゃあ特別に、充希にだけ教えてあげる
これは誰にも内緒よ?
緤にもイトナにも
そしてお父さんにも……』
『(コクコク)』
『その人はね……………』
「ああ、そうだ、思い出した
あれは母さんの鈴の音だ」
どうして忘れていたのだろう
母が大切にしていた鈴の音を
私は忘れてしまっていた