第4章 襲撃
「っ!…あのバカッ」
「千春は先に行っててください
私が沙織を連れ戻してきます」
「へ?充希?」
「それじゃよろしくお願いしますね」
「ちょっと!待ってよ充希!!みつッ…」
制止する千春の声を振り切って、沙織の元へと直行する
「沙織!」
「みっ!…ッ!」
「んもう、このドジ娘め」
少々呆れながらも人を掻き分けて沙織の元に向かう
沙織はと言うとまたもや人に押されている
(何がどうなってるのよ…
絶対あの人が関わってる)
頭の中で、相澤先生を浮かべた
相変わらずの無愛想な顔で、ボサボサの髪と手入れのされていない髭
ぐうたらと歩いてきては
『今日の飯は?』
ブチッ
「黙れニートヒーローめ!
少しは自立しなさいよ!!」
頭の中だと分かっていても、やはり不摂生な相澤先生にキレてしまう
(私…1回カウンセリング受けようかな……)
これ本気で悩んだ。
その時、誰かに強くのかされた気がした
ドン!
「わ!」
(あ、落ちる)
のされた場所は階段だった
「ッ!」
今日はワイヤー仕込みの指輪を持ってきていない
駄目だと思った瞬間
「よっ!と」
「うぉ!」
強い力で引っ張られる
次には、何か暖かいものに包まれた感じがした
「ったく、危ねぇなおめぇ」
「?」
「おい、何とか言えよ」
「……………………………バカ豪」
「あぁ!?てめえよっぽど殺されてぇようだな!!」
「…」
(なんでこの人が?)
助けてくれたのは爆豪君
数日前に炎玉をぶつけてこようとした馬鹿野郎だ
「怪我は」
「へ?」
「怪我は無いのかっつってんだよ!」
「っありません!」
「なら良し」
あまりの迫力に驚いて強く返事をした
爆豪君は返事を聞くか否かで体を離してくれる
「…え?」
「あ?どうした」
「や、あの……まさかずっと…」
「?」
……………………………
「(カァァァ)」
「!?」
「だ、だ…」
「な、なんだよ!」
「〜っ!!」
(最ッ低!!)
「バカ豪のスケベ!!」
「!?!?」