第3章 1年A組の彼等
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「はぁ………疲れた」
帰り道
「早く帰る」と言いながらも、私は公園で寄り道をしていた
公園では野良猫がたむろして、毛づくろいをしたりおばあさんから餌を貰ったりしている
猫はいい
何も悩みがなさそうだ
『逃げて……充希』
『っでも…』
『早く逃げなさい!!』
「……………」
今の私は何をしてるんだろう
機嫌の悪さを隠そうともせず、嫌味たらしさを残して帰ってくるなんて
あれじゃ彼らが嫌な思いをするだけだ
「………らしくないなぁ」
本当にそう
らしくない
「ニャー」
「…」
1匹の猫が近付いてきた
ブサカワ系の三毛猫
「ニャー」
スリスリ
「………」
(可愛い!!)
ブサ猫の仕草は、いとも簡単に充希を虜にする
攻撃力100
残りHP 1
猫の可愛さはハートの矢として胸を射止めてきた
恐る恐る手を伸ばす
毛並みを撫でると、猫は気持ちよさそうに喉を鳴らしては目を細めた
「♡♡♡」
たちまちメロメロになってしまう
元々私は、猫は好きな方だ
相澤先生と同居した影響もあるだろうが、可愛い生き物には一目惚れしやすい
こんな何気ない公園で、何気なく近寄ってきても、猫という種族は生まれついての「魅了」という才能があるので惹き寄せられる
猫をじーっと見る
「(フンスフンスッ!)」
「ニャー」