第3章 1年A組の彼等
「でも、耐久性とか大丈夫なんですか?
爆豪とか八百万とか……」
「それについては問題ない
その服は通常よりも耐久性はある
それに、半袖にしたのもその2人を考慮したからだ」
「……………」
なんだか、相澤先生も生徒の事をちゃんと考えているんだと思った
(この人が除籍処分にした人達の数は計り知れないからね…)
相澤先生に言う
「相澤先生、なら私はただじっとしてればいいんですよね?」
「そうだ、ヴィランの俺に捕まっていればいい」
「なら早く終わらせてくださいね
ご飯作らなきゃいけないんで」
「ちなみに今日の晩飯は?」
「麻婆豆腐かハンバーグで迷ってます」
「俺は肉じゃがに1票」
「選択肢にないじゃないですか……」
相変わらずだ
まあ、リクエストをしてくれるなら簡単だから別に良いのだが
「よし、それじゃどこにでも散らばれ
どんな手を使っても、人質を助ければ合格だ
言っとくが、誰か1人でも合格しなきゃ帰れないぞ」
と、先生の言葉を皮切りに、皆真剣になってそれぞれに散らばった
皆が散らばって数分
まだ誰も仕掛けてこない
作戦でも練ってるのだろう
黙っている相澤先生に言う
「…………」
「それで?一体何が目的ですか?」
「なんの事だ」
「とぼけないでください、なぜ私をヒーロー科に連れてきたのかと言ってるんです」
「気分だって言ったろ」
「あはは、冗談言わないでください
相澤先生はそんな"非合理的"なことはしないでしょう?」
「……まあ、他の目的もある」
「やっぱり……」
やはり何か思惑があったのだ
しかしそれが分からない
私がヒーローに好印象を持っていないと知っているくせに、なぜわざわざヒーロー志望の生徒達に関わらせようとするのかまるで分からない
でも、ひとつ言えるのは
「あなた………まさか私のためにこの予習訓練を用意したんですか?」
そう言うが、相澤先生は何も答えない
なぜわざわざ予習訓練をさせるのだろうと疑問に思っていた
だって、次に本番があるのなら、そこで初めて連携プレーをさせるはず
なのにこれは、あらかじめチームワークを高めようとしているかのようだ