第3章 1年A組の彼等
相澤先生に着いていくと、何故かグラウンドに着いた
しかもヒーロー科生徒限定解放のひろーいグラウンドに
相澤先生が言う
「これから予習訓練をする
ここで、俺はヴィラン、お前達はヒーローになって模擬戦闘するんだ」
「えーっと、それはつまり先生と私達が戦うってことですか?」
「そうだ麗日
まあ簡単な話、ヴィラン役の俺からこの囚われた一般人充希ちゃんを助け出せばいいんだ」
何故か背中を叩かれて名前を呼ばれる
(え?)
「まさか…そのために呼んだんですか?」
「そうだ、全員の個性を把握しておく必要があるから人質役が足りなかった
それに、この次には本格的な戦闘授業がある
そこでは俺以外の教師もヴィランとなってお前達に襲い掛かる
一般人を助けるとかはないが、まずは予習だ」
どうやら私はそのために連れてこられたらしい
ピンチに陥った一般人役を演じれば良いようだ
「はっ、なんだそりゃ、簡単じゃねえか」
また、金髪の男子生徒が言う
鼻を鳴らして、自信有りと言った感じだ
しかし、相澤先生は言う
「本当にそう思うか?
俺はヴィラン、つまり容赦なくお前らに襲い掛かる
確かに爆豪の個性は強いが、対応出来ない程じゃない
おまけに一般人を傷付けずに戦うとなると………
まあ頑張って俺から救出してみせろ」
相澤先生がそう言い放つと、やっと皆の顔に緊張感が現れてきた
(大体なんでそんな事を私に頼むのよ)
ちょっとイライラする
でもまあ別に抑えきれないほどではない
すると、また別の子が手を挙げた
「あの、戦闘訓練だったら専用のコスチュームあるんじゃねえの?
俺ら皆同じ服装なんですけど……」
黄色い髪の男の子は周りを見てそう言う
確かに、皆同じ服装だ
上は半袖のジャージ
下は男子はロングパンツ、女子はクォーターパンツだ
しかも半袖ジャージと言ってもピチッとしているのでそれぞれの体付きが分かりやすい
中でも、上品でいかにもお嬢様と言った感じの女の子は、お胸がいかに発育しているかが露わになっていた
黄色い髪の男の子の質問に答える
「確かにお前達にはコスチュームが用意されてる
だがこれはあくまで予習訓練
次の戦闘訓練に向けての予習だ
新しいのを用意するのも時間がかかるし、とりあえずそれにした」