第3章 1年A組の彼等
相澤 消太という"見た目ニート人間"に育てられた根性を舐めないで欲しい
そうこうするうちに、相澤先生がピタリと止まった
どうやら目的地に着いたようだ
しかしそこは
「ここだ」
「ここって………」
ここは、ヒーロー科の教室
「お!相澤先生やっと来た!」
「おせーぞ先生!!」
「先生、その子誰ですか…?」
1年A組
キラキラと目を輝かせて、全員お揃いの服を着込んだヒーロー志望の生徒達の部屋だった
固まっていると、相澤先生が自己紹介を代わりにしてくれる
「こいつは普通科のC組生徒で、糸仲 充希だ
仲良くしてやれよ」
「C組生徒さん?」
「なんで相澤先生と?」
相澤先生の言葉を聞くか否か、生徒達はヒソヒソと疑問を口にしている
だがそれよりも気になるのは
「相澤先生?どういうおつもりですか?」
「気分だ」
「嘘つけニートヒーロー
さっさと答えねえと丸裸にすんぞ」
「…………本当に気分だ」
「答える気がないんですね……
はぁ、分かりました、もうそういう事にしてあげますよー」
唇を尖らせて拗ねたふりをする
しかしこの御方には通じない
私はそれを誰よりも知っている
「あの、質問してもよろしいでしょうか?」
「どうした八百万」
八百万と言われた少女が少し気まずそうにしている
が、彼女はクラスを代表して疑問をぶつけてくれた
「その…糸仲さん…と相澤先生は、どのようなご関係で?」
という事らしい
まあ確かに担任教師が突然知らない生徒を連れてくれば疑問も湧くだろう
「あー、こいつは…」
「妻です♪」
「「はぁ!?!?」」
割り込んで答えると、全員から驚愕の声が上がる
中には相澤先生を、まるで「汚いもの」でも見るかのように睨む生徒もいる
「つつつつつ、妻ぁ!?!?」
「ああ、相澤先生っ!こんな可愛い子に手を出したんですか!?」
「何食わぬ顔してロリコンだったのかよ先生!!」
パニック状態だ
赤い髪の男の子や、耳からイヤホンのプラグが生えているかのような女の子
その他大勢の彼らは、信じられないように慌てまくっていた