Sogni d'oro/GIOGIO Parte5
第1章 散歩道/プロシュート
その髪にナマエが手を伸ばし、おもむろに指に絡ませる。
「ッ……、やめろ!」
「いいじゃん! 私、好きだよ──」
「──ッ!」
プロシュートの表情が一変する。
思わず口にしてしまった“好き”と言う言葉に、ナマエが慌てて弁解する。
「い、いや、そういう好きじゃなくて、服装とかも含めて、全体の雰囲気の事だから!……勘違いしないでよね」
「あ? 別に俺の事が好きで構わねーんじゃあねーの、そこはよォ……?」
プロシュートがニヒルな笑みを浮かべながら、ナマエに目を向ける。それをはぐらかすように、ナマエは足早に先を急ぐ。
「じ、じゃあ、行ってきます!」
「ペッシ、リゾットが来たら連絡してくれ」
『お気をつけて〜』と、ペッシは手を振りながら2人を見送った。
一方で、街へとくり出した2人が並んで歩き出す──
しばらくして、不意にナマエが問いかける。
「あのさ、さっきの言い草なんだけど……プロシュートって、いつもあんな風に女の人を口説いてんの?」
「ハンッ、俺ァ、女なんざ口説かねーよ? あっちから勝手に寄って来るからなァ……」
「あっそ〜ですか」
「そんな事より……2人で出かけてるってことはよォ……これは一応デート……だよな?」
「えっ⁉︎」
「それなら、仮に俺がオメーを口説いたとしても問題はねーよなァ……?」
「ち、ちょっと、急に何言い出すのッ⁉︎……なんかいつものプロシュートじゃあないみたい……」
胸の高鳴りを悟られないように、ナマエは少し視線を落とす。
そんな様子を知ってかしらでか──プロシュートは更に話を続ける。
「そうだな……普段とは違う格好をしてるから、気分まで変わっちまったのかもしれねーなァ……」
不意に心地よい風に包まれる……
その風が傍らの街路樹を揺らし、木々の隙間から緑がさしている─そんな陽の当たる場所が、普段の自分を解放していく──
隣を並んで歩くのは、自分の愛しい人──
こうして外を歩くのも、そう悪くはないな……プロシュートはそう思った。