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49番目のあなた【D.Gray-man】

第1章  再会


共有の女性洗面所にて顔を洗う。
鏡を覗き込めば目の下のクマが酷い顔がそこにあった。

(うわあ…また徹夜しちゃったなあ。)

黒の教団の科学研究員になって早数年。
こんなことは日常茶飯事である。
以前はアジア支部で勤務してたけど、ここまで激務ではなかったよなあ。
すっぴんに無造作に束ねられた髪。
年頃の女なのにこの有様ときたら。この上なく残念だ。

「リーバー班長に、ヨダレに涙顔見られるって…」

あ、顔に服のシワの跡ついてる…なんて、独り言をこぼす。



(そういえば、夢を見たような…)



悲しくて 怖くて 苦しかった

でも

懐かしくて  とても嬉しかった


うーん、と鏡の前で顎に手を当てて思い出そうとするも、ぼんやりとした感情しか思い出せず。


「…やばい!時間なくなるっ」

慌てて共有洗面所を後にする。

(私、臭くないかな)

女性として有り得ない行動だと思いつつ、くんくんと服を嗅ぐ。

(服だけ着替えて、朝食食べに行こう。)

とあるいつもの日常。
そう、この日まではそう思っていた。

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