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49番目のあなた【D.Gray-man】

第6章  願わくば



ティキとダンスをした後、あれからもダンスや談笑をいくつか交えた。
しばらくして、叔父叔母が来賓の貴族と商談の話になり、何処かへ姿を消した。


(やっと一息つける…)


流石にぐったりし、よろよろと一人壁際に寄る。
大きな窓は中世の代表的なアーチ型をしており、中庭が見える。
そこからは美しい花々の庭園と、立派な石造りの池が見える。
池の側に男性が1人、優雅に泳いでいる美しい鯉を捕まえてーーーーーー捕まえて?


ん?
私疲れすぎかな


再び目を凝らしてみるも……捕まえてる?!

えっ?何してるの?


男性はピッチピッチと跳ねる生きの良い鯉の尾を掴み上げーーーーーーーー食べた

えっ!?鯉って食べられるの?
しかも、生?!え?!!


(何してるのあの人!!!今、舞踏会だよ?!!)


一人で窓にへばりついている様は、傍から見たら異様だっただろうが、それどころではない。
驚愕していると、鯉を食事している男性がこちらへ振り返り、見上げる。






ティキだった。







(何やってんの?あのイケメン…)
目を離せずにいると、こちらに手を振っている。
すると、手招きをして


“ここに 来い”


って、言ってる。ジェスチャーで。
何故か彼の笑顔が黒く見えた。

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