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49番目のあなた【D.Gray-man】

第17章  想い思われ反発して




チラリとすみれを盗み見れば、今は科学班の皆と大人しく談笑している。

(大丈夫そうさね)

……よしよし、変な酒の飲み方もしてなさそうだ。







穏やかな笑みを浮かべるすみれから視線を外しホッとする………のも、束の間だった。



「よぉし!今日は飲むぞー!!」


「「「「「おー!!!」」」」」










「………おいおい」



すみれの音頭に呼応し、科学班のメンバーは再びグラスを掲げ乾杯をした。


(今日は飲むぞー!じゃ、ねーだろ?!)


科学班のメンバーに揉みくちゃにされているすみれは既に顔が赤いではないか。
今の一瞬でどんだけ飲んだんさ?!

絶対に潰れるだろ?!
あの調子じゃすみれだけじゃなく科学班も全員潰れるさね?!
仕事もそうだが飲み会でも彼らは加減ってもんをマジでしない。全力で取り組むし、全力で楽しむ。



《えーではでは!

みんなのお待ちかねのビンゴ大会始まるよ〜〜〜!!!》


コムイのアナウンスに会場が更にワァッと盛り上がる。

すみれはオレが独り悶々としてることなんてつゆ知らず、「どうか室長作の製品だけは当たりませんように!!!」とホロ酔いの赤い顔で必死に神頼みをしている。
あぁ、もう……!!



「…楽しそうさね」

「どうしたの?ラビ」

「リナリー!うんにゃ、何でもねぇさ〜」


すみれのことを考えていた、とは言えるわけもなく適当にはぐらかす。


「私、兄さんのとこ行って手伝いしてくるね!」

「おー、いってらー!」

「神田のことよろしくねー!珍しく酔ってるみたいだから」

「………あ"?オレは……」

「アイアイサー!」


リナリーはあっという間にコムイのところへいってしまった。


(オレも科学班…すみれのとこ行こっかな)


いや〜でもユウのこと頼まれたしなーいっそのこと一緒に連れてくさねーと、ソワソワしていると、



「……おい、兎。テメェはよぉ……」

「ん?つーか、ユウがどんどん勝手に呑むから飲み比べにならんかったな 笑」

「テメェはぁ…何がしたい?」




“何がしたい?”



うーん、オレが思ってる以上に酔ってんのか?





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