第17章 想い思われ反発して
クリスマスパーティーも終盤に差し掛かり、空いたグラスやお皿があちこちに散乱し始める。
パーティーの催し物ではビンゴ大会やクイズ大会等も行われ、参加者全員に行き渡るよう景品がプレゼントされた。
「はは。まさかクリスマスプレゼントなんて貰えるとは…」
すみれはビンゴ大会でゲットすることになったプレゼントという名の景品をぼんやりと眺める。
コムイ主催のイベントにも関わらず、何1つトラブルが起きなかった。
黒の教団No.1の問題児であり、只々では物事が進まない済まない男であるコムイ主催にも関わらず、だ。
周囲からは「奇跡だ!」「いや、後日パーティーの代償として何かさせられるのでは…?!」と、喜びと今後への不安が渦巻いた。
「ねぇ、キミ達酷くない?ボクをなんだと思ってるんだい?」とコムイは不満をたれていたが、日常の振舞いが宜しくないのでもはや仕方あるまい。
波乱幕開けのクリスマスパーティーになるかと思いきや(景品がコムイ製の物もあり多少の騒ぎはあったが)、全般的に好評で幕を閉じる事が出来そうだ。
そして今はいつも通りの、ただの飲み会と化す。
どんちゃん騒ぎ、参加者もいつも通り屍と化した。
「この景品、どーしよ…」
すみれのテーブルの周囲には、先程まで科学班員だった者の屍がたくさん横たわっている。
すみれはひとり、好きなお酒をほろ酔いでちびりちびりと嗜んでいる。
なぜすみれだけ生き残っているのかって?
「今になって回復するとは…」
そう、彼女も一度は屍と化した身。
「ジジと飛ばしすぎたなぁ」
初っ端に飛ばしすぎて早々と屍となったすみれは、皆が屍と化した頃に復活を遂げ今に至る。
「ちゃんと介抱してくれたなんて…!」
いつもはその場に放置されるのなんて当たり前で、良くて毛布をかけてくれるかだ。
しかし、今回は仮眠室まで運ばれており、お陰様でぐっすり睡眠を取ることができた。
「きっとタップやジョニーが運んでくれたんだろうなあ」
寝ている同僚達に感謝をするも、流石にすみれひとりで寝ている彼等(ジョニーなら運べるかな…?いや、難しいな)を仮眠室へ運ぶことは困難なため毛布を掛ける。