第17章 想い思われ反発して
「…ジジ!今日は飲もうねっ!いくらでも付き合うよ!」
少しでもジジを慰めなくては。
そんな気持ちを込めてすみれはジジと盃を交わす。
「!、すみれ〜〜〜〜っ!!」
ガシィィイッと更に固くすみれの首に腕をまわすジジ。その力の強さにすみれは「〜ッ!!」と声にならない叫び声を上げた。
「あぁ!すみれ!そんな無謀な…っ!?」
「あーあ、知らねーぞー」
ジョニーやタップの顔が青ざめるもすみれは「骨は拾ってね…っ」と遺言を残した。
《今宵は仕事も忘れて楽しもうじゃないか!!
では、乾杯!!メリークリスマス!!!》
「「「「「「メリークリスマス!!」」」」」」
その場にいる全員がグラスやジョッキに波々と注がれたお酒を掲げ、カチンッと食堂中に乾杯の音を響かせた。
「うんっ!仕事後のお酒は美味しいね!」
「すみれ、やっと本調子になってきたな」
「そう?」
「そうだよ、タップと心配してたんだよー!」
「ジョニー…タップ、」
二人の優しさに浸りかける間もなく、
「元気じゃないと戦えないぞー若手!」
「リーバー班長だって若いですけど!うわっ」
「元気じゃねーとやってらんねーよ!」
「ジジ!!」
気づけばすみれのすぐ近くにロブやハスキンも傍に居り「うんうん」と頷いていた。
「よぉし!今日は飲むぞー!!」
「「「「「おー!!!」」」」」
いつも控えめなすみれの音頭に呼応するかのように、科学班のメンバーは再びグラスを掲げ乾杯をした。
頑張れど頑張れど、仕事は減らないけれど。
科学班の、黒の教団の誰かが近くにいれば。どうやら結構なんとかなるものかもしれない。
「…楽しそうさね」
「どうしたの?ラビ」
「リナリー!うんにゃ、何でもねぇさ〜」
すみれから視線を外した者が、ココに独り。