• テキストサイズ

49番目のあなた【D.Gray-man】

第17章  想い思われ反発して




チラッと前方へ視線を向ければティーンズの神田、リナリー、ラビが楽しそうに談笑していた。









…いや、正しく言えば。
参加したくない神田を捕まえているラビと、宥めているリナリーがいた。


まだラビを見ると先程の光景が浮かび、胸の奥がチリッと痛んだ。


(…やめよっ!こんな場にまで辛気臭い気持ちを持ち込むのは…!)


すみれはブンブンと首を振り気持ちを切り替えようと試みる。


《まだクリスマスではないけど、みんな予定があるからね〜!!早めに開催することにしましたッ!!》



「…あは、予定ね〜」

「仕事しかねぇーわ」

コムイの“予定”という言葉に白ける団員達―――特に白ける科学班の姿があった。


「き、聞いてよ!上層部の嫌がらせで増えた仕事を…!!」

そうよ!仕事の怒りをパワーに変えて…!と、すみれが拳を作っていると自身の首にガッと腕を回された。


(えっ、もしかして…!)

こんな事、してくるのは……

「ラ…ッ」


――――――っ、ラビ!




「んっっっっとにィィィ!!アイツ等ときたらよぉぉぉおっ!!!!」

「ジ、ジジ?!!」

ラビ、ではなく
怒り心頭のジジであった。

「上層部の奴ぁッ!クソくらえー!!」

「ちょ!ジジってば、もうお酒臭い…ッ!」

「おいおい、まだ乾杯してねーぞ」


ジジとリーバーも輪に加わる。
猫語が治った後、ジジと上層部に報告(という名の殴り込み)に行くも再び一蹴されてしまった。ジジは粘強く抗議するも、やはり結果は同じ事だった。

ジジが荒れるのは無理もない。彼はエクソシストやファインダーの立場が少しでも改善されるために闘っているのだから。


(ジジは皆のために頑張ってる…)

私は全然、力になれてない


そんなジジが認めてもらえないのは悔しいし、自分の力不足がなんとも情けない。


(ジジは上層部に全力でぶつかっているのに、ラビの事で悩んだりして…っ)


すみれは自分勝手な恋心―――ラビの事で、心が乱される事を恥じた。

/ 355ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp