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49番目のあなた【D.Gray-man】

第17章  想い思われ反発して




―――――「にゃあっ?!」











「にゃあ?」

予想外のすみれの第一声に、思わずラビはオウム返しをしてしまった。

え、ちょ、なになに?笑


「ぶはっ!いつも良いリアクションしてくれっけど!何さ!にゃあって!」

「…」


ラビは腹を抱えて笑うも、すみれはひと言も話さない。

いつもは「びっくりしたなぁ〜!」とか「首!苦しいってば、もー」とか。何だかんだ楽しそうに返ってくる言葉が何もない。


「え、どした?」

「…」

「どっか痛めた…?」

ラビは慌ててすみれの両肩を持ち自分と向き合わせる。すみれは涙目で俯くもやはり何も言ってはくれない。


「オイッ、すみれ?!」


オレ、すみれに何かした…?!
それとも何かあった後なのか…?!!


焦るラビにすみれは観念したかの様に口を開いた。

「………


















………にゃぁ」

「……へ?」

やっと言葉を発してくれたと思えば、すみれは猫の声真似をした。

「にゃー」

「ちょ、すみれ?」

「にゃあぁ…」

「………マジで?」


ラビはすみれに貸そうと手にしていた本をその場にドサッと落とした。





*  *   *






―――30分程前のこと。

年末に近づけば近づくほど増える業務。
やってもやっても仕事が減らないのは何故だろう?

ほら、実験の成果報告とか
あとあれ、実績のまとめ報告とか
あとほら、来年度の報告とか、とか、とか


「猫の手も借りたい…」


すみれは書類の山に埋もれ机に突っ伏しながら呟いた。

科学班には彼女と同じ様に屍と化している者、または何かに取り憑かれたように仕事をする者のどちらかしか居ない。
通常業務に加算される年末納めの業務量がエグい事になっている。


仕事が終わらないのはいつもの事として、最近仕事が上手くいかない。


上司のジジが凄く頑張ってくれているのに、私の力不足で戦力になれていない。いや、そもそもあのわからず屋の上層部が…ッ!!

寝る間もお風呂入る間も惜しんで書類を作り上げたものの、目すら通してもらえなかった可愛そうなソレに泣き泣きシュレッターをかける。





(あれ、私…………)





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