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49番目のあなた【D.Gray-man】

第5章  想う




「俺、品揃えの良い本屋知ってるさ!
辞典に関してなら使いやすいやつを探す手伝いもできるし。」

ディックに選んでもらうなら間違いない。
ふむふむと思い顎に手を当てる。

「それにすみれにいつも紅茶やお菓子も頂いてるしな。」

「それは私が飲みたくてしてるだけ!
むしろお世話になってるのは私だよ?」

そんなことを気に掛けてたなんて意外だった。
 


「日頃のお礼をしたいから、一緒に出かけよう?」


な?なんて、

首を傾げて可愛くお願いされたら断れるはずがない。
元々、断るつもりなんて微塵もなかったが。



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そして今に至る。
ディックはまだ来ない。

私が少し早く着いてしまった。
準備時間を多めに見積もりすぎてしまったのだ。

普段はドレスに袖を通し、髪はきちんと結い上げている。
急な来客に対応できるようにと叔母様に言われているため、ドレスばかり着ている。

しかし今日は違う。
ディックから『歩くからカジュアルな格好で!』と言われ服を着用している。いつもと着心地も異なるため浮足立ってしまう。


(変じゃ、ないかな…)


膝下丈でストライプ柄のシャツワンピース。
スカーフやベルト等を取り入れてアクセントに。
本屋に行くので歩く音が響かないよう、ローヒールの白いパンプスにした。
髪は緩く巻いてハーフアップに。
耳飾りは大振りのゴールドアクセサリー。

(というか私、気を使いすぎ!
相手はディックなのに…

しかも14歳の少年てーーー)




「お姉さん、1人?
ちょっと俺らと一緒にお茶でもしよ」

見知らぬ男性ふたりに声をかけられる。
考え事をしてたため、周囲の気配に気づかなかった。


「あ、連れを待ってるので」

すみれは笑顔で一歩下がる。

「じゃあ、そのお連れさんも一緒に!」

2人はズイっと距離を詰めてくる。

ち、近い!









「すみれ」
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