• テキストサイズ

49番目のあなた【D.Gray-man】

第15章  繰り返すモノ



「私、ちゃんとしてるよ?

基本的には毎日お風呂入ってるし、ご飯食べてるし。スキンケアも」

「いや、当たり前だから!」

なんかもう基本がおかしいさ!






「ーーねえ、任務はどうだったの?」

任務に行った後、すみれは任務先の国事情の話を聞きたがる。

「今日は教えてやんねーさ」

「ええ!?何で!?」

「少し休んだ方がいいさ、疲れてんだろ?」

「でも元気だよ!」

「目の下のクマ酷ぇかんな?そんな顔で説得力ねぇーさ!」

「いつもの事だよ?」

「にんにく注射なんて打っておきながら、どの口さ!そんなこと言うのは!」

「それもいつもの、」

「ほら!」

「わっ!」


ラビはすみれの後頭部に手を回し、頭をテーブルに押さえつける。
すみれの顔は冷たいテーブルに当たるかと思いきや、ポスっと何かに埋まる。



「…これ、マフラー?」

「そ、枕代わりに」

「あ、意外と柔らかいね」

「だろ!」

「……ちゃんと洗ってる?」

「すみれの白衣よりはキレイさね」

「こっ、これは仕事着だからっ」

「へーへー。いいから仮眠取れって!起こしてやるから」

「こんなとこで寝れないよっ!」

お昼どきのピークはとっくに過ぎているため、人気が少ない。迷惑はかけないだろう。とはいえ…



「ダイジョーブさ」

「えぇ〜っ」

「そんな生き急ぐなって」

「!」

「……飯ぐらい。もっとゆっくり食っても、いーんじゃねーの?」

「い、忙しくて…でも、昔よりはよく食べてるよ」

「太ったもんな」

「太っ…?!」

「嘘、健康的になった」


それでも細いけどな。
貴族令嬢の頃のすみれはガリガリとまでは言わないが、あまり良い痩せ方をしているようには見えなかった。


「…前は、ドレス着てたから。あんまり食べれなかったし、食べちゃいけなかったし…」


女性のドレスはウエストをキツく締め上げる。
そのため大事な舞踏会やパーティーの前日から食事を抜く事も珍しくない。

今のすみれはやっと健康的になって、女性特有の膨らみも出たなと思う。

…胸とか、

そう、胸とか。
いやいや、今はそうじゃないだろオレ!



/ 355ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp