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49番目のあなた【D.Gray-man】

第15章  繰り返すモノ





「心配、してるからな」

「……ごめん」

「あんまり、無理せんで?」

「……うーん」

あ、はぐらかしやがったさ


「はぁー、いい匂い…」

「飯の匂いすっからな」

「そうじゃなくて…ラビの、マフラー……    、だよ……すぅーー…」

「!、寝ちまったか」


すみれは何か言いかけたが、電池が切れたかのようにあっという間に深い眠りへ落ちてしまった。


限界ギリギリまで頑張りすぎだろ
すみれの頬に流れる髪を拭ってやる。

すみれの寝顔を眺めながら、思い出す。




“いってらっしゃい!”

(なんっつーか…)



“おかえりなさい”

「……あったかい、さ」



ブックマンの仕事は世界各国を飛び回り、根無し草の旅だったから。
このやり取りはきっと初めてで、新鮮なだけさ。



(次からは“行ってきます”と、“ただいま”って、
言ってやるさねェ)


すみれの喜ぶ顔が容易に浮かんだ。




別に深い意味なんて無くて
どうせ近くにいるなら、喜ばせてやろうかなって

そんなことを思う

黒の教団で始まる、他愛のない日常。






可愛いとか、昔好きだったとか
そんな理由でまた好きになる事なんて、



ーーーーーそんな過ちは、有り得ない。

絶対に、有り得ないさ









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