第15章 繰り返すモノ
ーーーガタンゴトン
ーーーガタンゴトン
汽車が動き出す。
緑豊かな山の景色から、水平線の見える海の景色へ猛スピードで移り行く。
任務で世界各国を訪れるのは大変さね。
オレはブックマンなんで、元々そういう日々だけど。
でも、今回はちょっと…
「つっかれたー」
AKUMAとの戦いに加え、この長距離移動。
疲れが溜まっていることもあり、汽車の規則的な揺れがうとうとと眠気を誘う。
(いつになれば、戦はなくなるんだろ…)
まるで、押しては返す波に抗っているようで
何もかも無意味なんじゃないかって、思えてくる。
(なんっつーか…)
寂しい。
虚しい。
微睡む意識で、ふとすみれを思い出す。
『……怪我、しないでね?
ーーーーいってらっしゃい!』
感じたことのない違和感 これはなんだ?
むず痒いような
くすぐったいような
(嫌いじゃない。この感じ…でも、)
答えを導いては、イケないようなーーーー
オレは睡魔に襲われるまま、眠りについた。
*