第15章 繰り返すモノ
「エクソシスト様、任務お疲れ様でした」
「お疲れサーン♪」
得意の笑顔を顔に貼り付け、現地のファインダー達に手を振りその場を後にする。
任務もいくつかこなし、AKUMA退治にも慣れてきた。
崇高な組織の団服はイロイロな意味でとても重苦しかったが、袖を通すことも日常になりつつある。
ーーーーー仮想19世紀。
機械、魂、悲劇を材料に造り出される悲しき悪性兵器AKUMA。
AKUMAの製造者である千年伯爵は、世界終焉への計画を進めている。
そして、AKUMAを破壊できる神の結晶“イノセンス”に選ばれた存在がエクソシスト。
世界の終焉を阻止するため、ヴァチカンの命によって設立された直属の対AKUMA軍事機関ーーーーーそれが黒の教団。
オレは記録の為“たまたま”、黒の教団のエクソシストとして所属しているーーーーー
ーーーーっと、前置きはこんな感じ?
まあ、結局はいつも戦争ってことで。
戦士になって記録をするのは初めてだけど、なんとかなりそーさ。
最初にAKUMAを見たときは「コレが元人間…?」ってびっくりしたし、破壊すんのは気が引けた。
だって元人間だぜ?
でも壊さなきゃこっちが殺られる
それに、アイツ等はもう人間じゃなかった。
人間の皮を被った殺人機械だった。
任務もいくつかこなしたし、AKUMAを破壊することにもう戸惑いはねーけど。やっぱあの見た目はグロいなあと思う。
(エクソシストねぇ…)
帰路の汽車に乗り込み、豪華な乗車部屋に1人通され窓辺に肘を付く。
今日はジジイは抜きの任務だったもんで。オレひとりさ。
「ま、こんくらいヨユーさ」
ペンをくるくる指で回すように、鉄槌をイジる。
あ、この“鉄槌”がオレの対AKUMA武器さね。
装備型の対AKUMA武器。
槌の形状をしてる。愛称は「大槌小槌」なんだけど、ちょっとその愛称は気に入らねー。
いや、もっとさ?
格好良い愛称あったんじゃねーの!?
だからオレは“鉄槌”って呼んでる。
鉄槌もだいぶ手に馴染んできた。
鉄槌の扱いは、得意の槍術に似てるし。
そもそもオールラウンダーなもんで。
これでもジジイに戦術、医術など、様々な事をみっちり仕込まれている。