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49番目のあなた【D.Gray-man】

第15章  繰り返すモノ




「はあ〜!やっと終ったあーっ!」




すみれは廊下を歩きながら、両腕を天井に向けて高く突き出す。
そしてそのまま「んん"ん"ーっ」と大きく伸びをした。



「いや、マジでヤベーから。医務室で仕事するなんて!」

「いや、その…解き方がひらめいてしまいまして…」

「しかもにんにく注射って!!ちゃんと休めって!!」

「えっ、私なんて良い方だよ?皆なんてコムイ室長が作ったヤバいにんにく注射打ってるからね?」

「ちゃんと医務室のモノを打ってもらってるし!」とすみれはエッヘンと胸を張って言う。



イヤイヤ 待て待て
そこは胸張るとこじゃねーから



「そもそもにんにく注射打ってまで仕事するなんて!どんな職場さ!?」

「こちらで御座います」



何かに取り憑かれたように死物狂いで仕事をする奴らと、その辺で死んだように寝コケる奴らが入り交じる職場ーーーーー科学班。


寝てるか仕事してるかのどっちか
初めて見た時はマジでびっくりしたさ!



「なあ、転職しよう?」

「…」

すみれはニコッと笑って誤魔化した。

「そういえば、ラビは医務室なんてどうしたの?怪我したの?」

「いーや、頭痛薬貰いに」

「え、頭痛いの?」

「痛くねぇさ。…まぁ、なんっつーか、お守り的な?」

「…そっか。これから初任務だもんね!備えあれば憂いなし、だもんね!」

「まーな」

「……怪我、しないでね?




いってらっしゃい!



帰ってきたら、任務の話聞かせてね!」


「……」

「ラビ?」

「…お、おう」

「うん!」










「ラビ、行くぞ」

後方から高齢者特有の嗄れた声でラビを呼ぶ声が聞こえた。ブックマンがラビに催促する。


(あの方がブックマン…)


ディ…じゃなくて、ラビが“ジジイ”って呼んでいた方だ。


すみれはブックマンに軽くお辞儀をし「いってらっしゃい」と挨拶をした。あちらも「ありがとう」とすみれに会釈をした。



「そんじゃ、行くさ」

「うん、気をつけてね!」



























「この再会は吉と出るか、凶と出るか…」

「?、何か言ったさ?」

「何でもない、ひとり言だ」


ブックマンのひとり言は、廊下の暗闇に溶けて消えた。


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