第15章 繰り返すモノ
「…すみれ」
「ん?」
「やっぱ、黒の教団じゃなくてもいーんじゃね?」
「…」
「こんなん、おかしいさ」
「…」
「すみれ」
「…うん、」
「にんにく注射打ちながら仕事するなんて、絶対ェおかしいさ…!!」
「………あ、ラビ?ちょっと待って?あとちょっとでこの数式が……っ」
ガリガリガリガリガリガリ
すみれが紙に数式を書き殴る音が、医務室に異様に響く。
「これがワーカーホリックよ。すみれはまだマシな方ね」
「はぁ?!これがマシ?!」
周囲のナース達は見慣れた光景なのだろう、見向きもしない。
すみれも周囲を一切気にせず、一心不乱に数式を解き続けている。
「……マジか」
ラビは初めて見る光景に呆れを通り越し、ドン引いていた。