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49番目のあなた【D.Gray-man】

第3章  出会い




「難しい本を読んでるさね」






突然、私の真横から声が聞こえた。

「わっ?!」

ビクッと体がひどく飛び跳ねた。
声がした方へ目を向けると、赤髪で隻眼の少年が窓際に頬杖を付いて私の本を覗き込んでいた。

彼が近寄ってきた気配に全く気づかなかった。



「そんなに驚かんでも!」


俺の方がびっくりするさ!と、胸に手を当て大袈裟に驚いていた。

どこの子息?
叔父様の招待客の子かしら…


「日本文学が好きなんさ?
すみれ嬢はもしかして、日系なん?」


アジア系かなとは思ったけどー、なんて言いながら再び私の本を覗き込む少年。

私のことを色々知っているなら、おそらく招待客の子だろう。それにしても行動といい、発言といい


極まりなく失礼だ


人種の話題なんて有り得ない!
思いっきり嫌な顔をしてつっけんどんに答える。


「…日系人よ。」

「やっぱりさ!黒目黒髪は特徴的だもんなー」

私の態度をものともせず少年はニコニコと話す。



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