第2章 再び
「初めまして、ブックマン。ブックマンJr。
僕は黒の教団本部室長の、コムイ・リーです。」
白いコートの団服を着た長身の男が名乗り、じじいと握手を交わす。
「我らはブックマン。
私に名はない、ブックマンと呼んでくれ。
ーーーーそちらの小僧は“ラビ”だ。」
コムイと目が合いニコッと人懐こい笑顔を作ってみせる。「よろしく」と互いに握手する。
挨拶も一通り済み、黒の教団組織の案内をしてもらう。
夜中だというのに周囲がとても慌ただしい。
どうやらとある部隊が戦場から帰還直後のようだ。
下階の広場には大量の棺が並んでいるのが見えた。
(…ザッと 100はイッてんな)
冷めた目で、広場の棺達を見下ろす。
(消毒液の匂いが、プンプンすらぁ )
「…負け戦だねぇ」
誰にも聞こえない声で ボソッと呟く。
何気なく眺めていると、1つの棺の前で泣いている奴がいる。
そいつもボロボロで、点滴スタンドを側に立たせ腕にチューブが繋がっている。
ナースに病室へ戻るよう促されているようだ。
そいつがふと、こちらを見るように顔を上げた。
ーーーーーまだ幼い少女だった。
俺よりも年下そうな、少女が戦士だなんて。
ハッとされ、心苦しく感じてしまった。