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49番目のあなた【D.Gray-man】

第2章  再び



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ピチャン ポチャン



水滴の落ちる音が、地下水路に響く。
今は夜だがここは昼夜問わず暗いだろう。等間隔の灯火で水路が照らされている。
生き物の気配を感じられる音はなく、水滴の音とボートを漕ぐ音のみ響きわたる。

ボートに肘を付き水面にゆらゆらと映る自分の赤髪と、水路を照らす灯火を意味もなくみつめていた。


今から向かうのは新しいログ地である、黒の教団本部。


ブックマンとして記録を行うのは俺ではなく、師であるじじい。俺はブックマンJrとして、修行中さ。
まあ、どうせ何処のログ地に行っても

戦、戦、戦ーーーーーーー




「…ディック」

ボソッと小さな声でじじいに呼ばれる。

「あ?」



ザシュッ

返事をした途端、パンダ手で引っ掻かれた。



「いってぇ!何するさ!」

いきなりなんさ?!と、涙目になりながら引っ掻かれた頬を摩る。

「馬鹿者が!前のログ地の名で反応しおって!」

「…あれ?それで反応してた?」

あちゃー、いっけね

「…気を引き締めよ。
今回のログ地は今までで一番大きい戦になるだろう。我らは戦士となり、記録する。」

波風立たぬようにせえ、と釘を刺される。


…前回のログ地で、心当たりがなくもない。
チクッと胸が痛んだ気がしたが、気のせいさ。
何も問題ない。次からも、いつも通りさ。


「へいへい。それに当分の寝屋だしな。






いつも通り、ヘラっとして仲良くなるさ」

ニコッと上手に笑ってみせた。
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