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49番目のあなた【D.Gray-man】

第10章  トリック・オア・トリート《番外編》



「え?」

不意に自分の名前を呼ばれ、顔を上げるとそこには、




「……ティ、ティ、ティっ!!

ティキ?!!」

「よう。とてもお楽しみなようで?」
ティキは私の姿を見て、ニヤッと笑う。

「っ!」
すみれは恥ずかしくなり、咄嗟に両腕で顔を隠した。


まさか!!こんな町中で!!
知り合いに合うなんて!!!
よりによって、ティキに会ってしまうなんて!!
何で、こんな有名な貴族であるティキが、街のハロウィンのお祭りに来てるんだろう?!!



「なん…っ?!ここに…っ?!」

「ん?あぁ、俺はお守りだよ。お守り。」

「ちょっとぉ〜!お守りってなに、ティッキ〜!!ボクの付き添いで、舞踏会のサボりでしょぉ〜」

「そうとも言う」

ティキの腕に少女が抱き付き、楽しそうにキャッキャッとはしゃいでいる。



なるほど。
ティキが街のお祭りに来るわけないよね。
だって、貴族達もハロウィンにかこつけて、お茶会やダンスパーティー等が開催されている。
ティキが誘われない訳がない。



「…知り合いの貴族に、会うなんて思わなかった」

「いやー俺も。ましてや、そんな魅惑な格好のすみれに会えるなんてなあ(笑)」

「は…ッ?!これは衣装だから!!仮装だよ、仮装!!」

「似合ってるよ、可愛い」

「っ!、」

お世辞とは分かっているものの、このように正面切って言われてしまうと、どうしても恥ずかしくなってしまう。
すみれは言い返す言葉が見つからず、ほんのり頬を染めるだけだった。



「ティッキー、この子がすみれー?」

「ん、ああ。そうそう。こいつはロードってゆーの。」

「ロードちゃん、改めてよろしくね。」


すみれはロードと目線を合わすべく、腰をかがめしゃがみ込んだ。
近くで見れば見るほど、ロードの美少女っぷりがよく分かる。


「ボク、すみれのこと好きだなあ〜♪ねえ、すみれ



ティッキーのお嫁さんにならないぃ?」




「!?、へっ…?!」
予想外の事を言われ、すみれは言葉を失った。

「だってボクぅ、すみれのこと好きだしぃ。ティッキーだって、すみれのこと好きでしょぉ〜?」

ロードはそう言うと、すみれの首に抱きついた。
あ、なんかいい匂いする…じゃなくて!


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