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49番目のあなた【D.Gray-man】

第9章  終の始まりの鐘が鳴る


すみれは叔父叔母の養子になっているのだから、名字は今のものになるはずた。


(法律上、私が未成年で遺産を管理できない年齢だから、“未成年後見人”が叔父なのはわかるが…)


あれ


“未成年後見人”?


すみれは、ある日のディックとの会話を思い出した。


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「すみれは、スッッゲー倹約家さね」

ディックは窓枠に頭を垂れながら、「貴族令嬢なのにー笑」と言っている。



「だって、私のお金なんて無いもの。無闇に使う訳にはいかないじゃない」

「…こんな事言うのもアレなんけど、両親の遺産もらってるだろ?」

「ううん。そんな話は聞いた事ないよ」

「まあ、すみれはまだ未成年だからな!きっと叔父が代理人になって遺産管理してるさ。」



ディックの口調はまるで、
「自分は未成年ジャナイ」と言ってるように聞こえた。


「(いやいや、思いっきり未成年だからね。)
………ふーん、そういうものなの?」

「…何か言いたげなのは、気のせいさね?
法律上、未成年の遺産管理は親権のある大人が“代理人”になって行うさー」

「へぇー。」

「ちなみに!親権のない大人は“未成年後見人”って言ってぇ〜」

「ふぅーん。…あっ、ディック!ここの言語なんだけど!」

「ちょーっと待つさ!?俺、けっこー大事なこと言ってんだけど!?」


聞けよ〜!と、嘘泣きで言っているディックに、すみれは適当に「はいはい」と笑って相槌を打った。


……





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(あれ)


(あれ あれ?)


すみれの体がカタカタと小刻みに、通帳を持つ手はブルブルと震える。

“未成年後見人”ということは、



叔父には私の親権が


無いってこと?


(私、)

(私って、)


叔父様と叔母様の、

子どもじゃないってこと?




ーーーーーー養子じゃ、ないの?






頭が 真っ白になった
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