第4章 意外な一面
「おい、悠弥!珍しいじゃん彼女なんて!!」
「だぁーから違うって言ってるだろう?」
瑞希が出ていった後、返却手続きをする悠弥に瞬はからかい口調だ。
「はいはい。お前が女子と2人でってのはかなりレアだからな〜気が変わったの?彼女とはどうやって仲良くなった?」
「………お前、友達だってこと認める気ねーだろ。元々はお前の彼女のせいなのに」
「うん?なにか言ったか?」
悠弥は はぁ〜と溜息をつく。今何を言っても瞬にはこんな感じで返されてしまうだろう。
確かに瞬の言うとおり、悠弥が女子といることは珍しいことだった。
むしろ出来るだけ避けている。
「女嫌いのお前がねぇ…というより人見知り過ぎで人ともあまり関わろうとしないのに。どういった風の吹き回し?まあ確かに可愛いよなー」
瞬、それは俺が1番聞きたいよ。
なんでこんなことを思うのか。
ふと、あの時のことを思い出す。きっと、あの時…
あれから変わったのかもしれない。
「ほら、手続き済んだからもう出るぞ」
「はいはい、良かったー今日までに返却だったから焦ったよ」
ほっとした顔をする瞬と共に悠弥は図書室を出た。