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その秘密は図書室にて

第4章 意外な一面


「広川あかりの「2人の探偵」シリーズ!!しかも最新刊ですよね!?」
「?………ああ、そうだよ」
いきなり身を乗り出す瑞希にやや動揺しつつも、瞬は笑顔をみせる。
「もしかして、好きなの?」
「はい!この主人公2人の関係がなんとも言えないし、事件の謎もなかなか面白いし!」
「そうそう!これはもう読んだ?ラストの事件のシーン…」
「ああ!あれはもう最後までハラハラでし…」
ごほん、という咳払いのあと悠弥が不機嫌そうな顔で盛り上がっていた2人を見る。
「……もう図書室終わりの時間なんだから早くしてもらえると助かるんだけど?」
「ご、ごめん、つい……」
瑞希は、自分が好きな本を持ってる人がいるとつい話しかけてしまう癖がある。それが例え知らない人でも行きそうになってしまい、あとあと人見知りで困ってしまう、なんとか直したい癖だ。
「悪い悪い、じゃ頼むわ」
「はいはい」
ちっとも悪びれた様子のない瞬から悠弥は溜息混じりに本を受け取る。
「じゃ、倉本さんまた明日!」
「しっかり悠弥に教わるんだぞーっ!」
瑞希が肯定した覚えがないのに、明日も教わる雰囲気になっている。
「じゃあ…宜しくね!」
瑞希は苦笑いのまま図書室を出た。




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