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その秘密は図書室にて

第4章 意外な一面


キーンコーンカーンコーン……
5時半のチャイムが鳴る。
「よし、じゃあそろそろ終わりだね」
「う、うん………」
くいーっと伸びをする悠弥に対し、瑞希の方はぐったりだった。
確かに悠弥の教え方はとても上手かった。今日やっただけで赤点は逃れられる自信がある。
ただ、心臓には悪かった。未だにドキドキしている。
「堀口くん、時間割いてもらってごめんね。とても助かりました」
「ホント?良かった。こっちも教えた甲斐がある」
悠弥はそう言ってにっこり微笑む。
………どうやらあのモードになるのは勉強を教えているときだけらしい。今はいたって普通の"堀口くん"だ。
「うーんと、じゃあ、次はいつにする?俺はいつでも空いてるけど」
……………ん?
「え、次?」
「うん、まだテスト範囲全部やってないでしょ?」
ああ確かに、と瑞希は手を打ちそうになってはっと気づく。またあの心臓の悪い状況に……
「いやでも、堀口くんに悪いし…」
「や、俺は大丈夫だよ。大概暇だし」
爽やか笑顔でありがたいお言葉を言われると断り難いが、そういう問題ではない。
「で、でも………」
「悠弥ー?まだいるかーー?」
唐突にガラリとドアがあき、誰かがひょっこりと顔を覗かせた。
「お、いたいた。……あれ、隣は瑞希ちゃん………だっけ?」
飄々と現れたのは一宮くんだった。
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