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その秘密は図書室にて

第3章 歪んだ関係


「…………もう、大丈夫」
しゃっくりもおさまってきた瑞希は悠弥の胸を軽く押した。
「…ん」
瑞希の背中に回っていた手がそっと離れる。悠弥の制服が瑞希の涙やらで濡れてしまっている。
「ごめん制服……」
「大丈夫だよ。それより……」
悠弥が瑞希の目を真っ直ぐ見つめる。
「由香里、私のこと友達だと思ってくれてるのかな」
瑞希はぽつりと呟いた。

「……なんで?」
「由香里はね、中学のとき知り合ったの。由香里は結構目立つタイプだったけど、私みたいに人見知りで地味な奴にも声かけてくれて…。それで仲良くなったの」
瑞希は手をギュッと握りしめる。
「でもね、今日のことがあってわかったの。
…私は由香里のこと、何も知らない」
また溢れ出そうになったものをぐっと堪える。
悠弥は何も言わず聞いてくれている。
「私は由香里を頼りっぱなしだけど、由香里が私を頼ってくれたことは一度もない…」
「…そんなこと、ないんじゃないのかな」
えっ…?
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