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その秘密は図書室にて

第3章 歪んだ関係


由香里はそのまま走りだした。
「ゆ、由香里っ!!」
瑞希は慌てて由香里の後を追いかける。
(もうなにがなんだかわからない…)
とにかく今は由香里に追いつくことに専念した。
「由香里っ!待ってよ!!化学室はそっちじゃ…」
「来ないで!!!」
声の気迫におされ瑞希は足を止める。由香里は我に返ったように立ち止まり瑞希を振り返るが、目があった瞬間顔を逸らした。
「ごめん…でも、1人にして。先生にはなにか言っといて。」
由香里はそれだけ言うと、走って行ってしまった。
呆然としたまま、瑞希は追いかけたくても足を動かすことが出来なかった。ただ、由香里が行ってしまった方向を見ることしか。
ちらほらと廊下を通りすぎる人が取り残された瑞希を見ている。しかし、ぽっかりと穴が空いてしまったような瑞希の心には、そんな事を気にする余裕などなかった。
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