• テキストサイズ

その秘密は図書室にて

第2章 図書委員


その日の放課後。
瑞希は急いで図書室へ行ったが、運悪く誰もいなかった。
「今日は来ないのかな〜堀口くん。」
少しがっかりしたが、折角来たので何か本を借りて行こうと中へ入る。
入り口付近の新作コーナーから順々に見ていく。
(そういえば、最近卒業式や入学式なんかの写真の印刷を、お昼返上でやってたから全然来てなかったな…)
前はなかった本がそこそこ揃っている。
ふと、本棚の1番上の段にある本に目がとまった。
(確かこれ、直木賞取った作家さんのやつだよね!!)
瑞希はその本を取ろうと手を伸ばす。…………が、身長があまり高くない(低い)瑞希は届かない。
「ぐ、ぐぬぬ……」
どんなに背伸びしてもジャンプしてもあと一歩のところで空気を掴んでしまう。
「うう…あとせめて10cmは欲しかった…」
諦めて台を取りに行こうと手を降ろしたその時、
後ろからにゅっと手が伸びてきた。
後ろにいる人の、あまりの近さで振り向けずビクッと体を縮める。と、その手はそのまま瑞希が取ろうとした本をいとも簡単に抜き取った。
距離が出来たため瑞希は振り返ると
「この本だよね?倉本さん」
悠弥はにこっと笑った。



/ 46ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp