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その秘密は図書室にて

第2章 図書委員


「…なーに顔赤くなってるのよ?まさか、何かあったの!?」
由香里達がニヤニヤしながらこちらを見ている。
「か、顔赤い!?」
「その感じだとなにかあったわね?」
「わー!興味あるなぁ〜」
好奇心のこもった目が瑞希に向けられている。
(言えない、一緒に帰ったなんて絶対言えない!けど何もなかったとも言える状況じゃないっ!!)
仕方なく、瑞希は図書委員の曜日担当が一緒になったことだけ話した。
「へぇーよかったじゃない!なかなかやり手だったのね〜!!」
由香里にあらかさまにからかってくる。
「たまたまなの!たまたま!」
瑞希が必死にそう言うが、あまり効果はないようだ。一緒にお弁当を食べている女子達が盛り上がる。
「学年二大イケメンの片方と一緒なんてねー!」
「そうそう!二大イケメンといえば、もう片方は生徒会だしねぇ〜」
"もう片方"の言葉で由香里の顔が少し曇ったのがわかった。そんなことには気付かず、2人はペラペラと喋る。
「一宮瞬くん!堀口悠弥くんとはまた違う雰囲気のイケメンなのよね〜」
「そうそう!それでいて生徒会の方まで行くっていうね!ねぇ由香里!………由香里?」
由香里がはっと顔を上げる。ごめんっ!という顔をしてから、
「まあねー、あっ!そうそう瑞希は堀口くんと仕事一緒にしたの?」
「いや、先生方のプチ会議的なので出来なくて…、来週からかな」
「まじかー!結果聞かせてねー!」
(由香里ってば思いっきり話そらしたな…)
瑞希は笑いながら、どこか由香里のことが引っかかっていた。
一宮瞬の名前が出るたび怪訝な顔をする由香里。
(きっと2人の間にはなにかあったんだな…でも一宮くん全然知らないし…あっ!)
ふと、瑞希はクラス発表のときを思い出した。
あのとき、確か2人並んでいるところを女子に囲まれていた……。
(堀口くんなら一宮くんのこと知っているかもしれない…)
瑞希は、放課後図書室に行こうと決意した。
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