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その秘密は図書室にて

第2章 図書委員


「もしかして、堀口くんて人見知り!?」
一瞬、こっちを向いた悠弥の目が大きく見開いた。
「あ、いや、私もちょっと人見知りなとこがあって…で!堀口くん見てたらなんとな〜くそんなような気がし…てね!?」
あたふたしながら瑞希が言うと、堪えきれなくなった様子で悠弥が小さく吹き出した。
「倉本さんて面白いね、ほんと。そうだよ、俺はだいぶ人見知りかな」
そして瑞希を見てにっこり微笑むと、
「まあ倉本さんも"ちょっと"ではない気がするけどね」
「!!」
今度は瑞希が赤くなる番になってしまった。
顔を逸らすため外を見る。
と……

「あ、雨だった…どうしよう……」
「傘忘れたの?俺の貸そうか?」
瑞希は首を振る。
「いや、堀口くん濡れちゃうでしょ?それに地元だから歩いて25分もあれば着くし」
それでもびちょびちょになるのは間違いなしである。
「……地元なら、家まで傘入れて行こうか?」
「え!?」
悠弥の突然の申し出に瑞希は大きな声を出してしまった。
「いやでも、悠弥くんが…」
「俺も地元だし、自転車があるしね。………あ、勿論倉本さんが嫌なら別に…」
「全然嫌じゃないよ!!」
瑞希ははっきり断言した。言ってしまってからはっとする。思わず顔が赤くなるのがわかる。何言ってんだ私。言い方にも…
と、悠弥を見るとこちらも耳まで真っ赤になっていた。
「……………」
「……………帰ろっか」

2人共顔が赤いまま、昇降口へと向かった。
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