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その秘密は図書室にて

第2章 図書委員


遡ること一週間前。

瑞希は顔合わせで図書室のカウンターの奥、図書委員しか使えない部屋にいた。図書室だと利用者の迷惑になってしまうので、集まりといえば大体ここだ。
委員会というのは全員がなるものではないので、内申を気にする人か、あるいはやるのが好きな人しかやらない。瑞希はどちらかといえば後者である。
おかげですんなり図書委員になることができた。

「さて、全員来ましたか?居ない人いないー?」
優しそうでぽっちゃりしたおばさん先生が、いつものまったりとした口調で言う。
「ねぇなんか雨降りそうな天気ねー」
「えー、天気予報では雲りだって言ってたけど」
声に反応してふと周りを見ると、やたら女子が多いことが分かった。
…というより2年生は全員女子。
これは、もしかして……。
ガラッとドアの開く音に振り向くと、そこには堀口くんがいた。
私と目が合い、軽く微笑む。
…と、先生にむかって会釈をし、1番後ろの席に座った。
部屋にいる女子達が色めき立つ。やはりこれが目当てだったようだ。
そんなことより
(なんで堀口くん来たんだろう。人が集まる所は好きじゃないってこのまえ確か言ってたのに…)

「それじゃ、先生の自己紹介から始めるわよー。1年生しっかりと覚えてくださいね」

先生が話し始めたので、瑞希は慌てて前を向いた。
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