第2章 図書委員
新しいクラスになって1ヶ月が経とうとしていた。
4月というのは行事が沢山あって、感覚的にはあっという間に過ぎて行く。
「…でさー、そーなのよ。うん、あーイケメンよねぇ …」
お弁当を広げながら由香里達の会話を聞く。
瑞希はほぼ由香里のおかげでクラスで浮くことなく馴染めていた。
瑞希が人見知りなだけかもしれないが、なにしろ由香里は人脈を作るのが早い。新クラスになった初日には、会話の真ん中にいた。
「…そう、それがもう格好良くって!!あっ、そうだ瑞希、堀口くん図書委員だったんでしょ?なにか話した?」
いきなり瑞希に話を振られてビクッとする。
由香里、そこで話を振るか。
なにか話したもなにも……