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【ヒロアカ】幸せな恋の諦め方【轟焦凍】

第6章 見直しと壁【原作編(雄英体育祭)】



《氷壁で場外アウトを回避~!楽しそ~!》

 円柱形の氷壁を利用しカーブしながら近づいていく轟くんは左手を伸ばし、爆豪くんを別方向へ投げ飛ばした。

「チッ…ザケんなよ。俺じゃ力不足かよ」

《左側をわざわざ掴んだり爆発のタイミングだったり研究してるよ。戦う度にセンスが光ってくなアイツは》
《ホウホウ》
《轟も動きはいいんだが攻撃が単純だ。緑谷戦以降どこか調子が崩れてるなぁ》

 先生方の実況でハッとさせられる。彼の表情からも変化が見えていたが、確かに所々で動きが止まるような瞬間があった。やはり緑谷くんとの戦いで色々思う所があったのだろう。

「てめえ、コケにすんのも大概にしろよ!ブッ殺すぞ!」

 そんな轟くんに対して苛立ちを見せる爆豪くんがいた。

「俺が取んのは完膚なきまでの1位なんだよ!舐めプのクソカスに勝っても取れねぇんだよ!デクより上に行かねぇと意味ねぇんだよ!勝つつもりもねぇなら俺の前に立つな!なんでここに立ってんだクソがァ!」
 
 そう言って轟くんに襲い掛かろうとしているが、轟くん本人は迷っているような表情で、動けない状況だった。その時、

「轟くん!負けるな!頑張れ!!」

 緑谷くんの声が会場に響き渡る。すると轟くんの左の炎が燃え盛っていく。爆豪くんは自身の爆破が渦巻の煙幕に覆われるかのように変化しながら攻撃を定めた。そのまま、轟くんも炎を爆豪くんに向け放とうとしていたが、

(あっ…)

 何か思う所があったのか、炎の勢いがなくなりそのまま消失してしまった。

「ハウザーインパクト(榴弾砲着弾)!」

 凄い威力の爆破が視界を曇らせた。

《麗日戦で見せた特大火力に勢いと回転を加えたまさに人間榴弾!轟は緑谷戦での超爆風を撃たなかったようだが勝敗の行方は果たして~!?》

 煙幕が散り少しずつ視界が見えてきた。すると場外に氷の上で気絶している轟くんがいた。それに気づいた爆豪くんは、轟くんの元へ近づき胸倉を掴む。

「‥‥オイっ!ふざけんなよ!意味ねえって言っただろうがクソが!こんな1位なんて!!こんなの…こん…」

 爆豪くんの悲痛な叫びもミッドナイト先生の「個性」によって眠らされてしまった。

「轟くん場外!よって…爆豪くんの勝ち!」

《以上で全ての競技が終了!今年度雄英体育祭1年優勝はA組爆豪勝己!》

 こうして決勝戦は幕を閉じた。
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