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【ヒロアカ】幸せな恋の諦め方【轟焦凍】

第12章 存在意義とゆらめき【原作編(仮免)】



しばらくしたと思ったら、彼が慎重に私を見つめる視線が気になった。


「何他人事みたいに言ってるの」
『え?』
「普通科とはいえ、一条だって雄英生でしょ。」
『……』

何も言えなかった。

だって、私はいずれここを辞めようと思っていたから、

でも、それを言うわけにもいかなった。

できれば、何事もなく去っていきたいと思っていたから。


「…あのさ、」
『?』
「変なこと考えてない?」

何かに気づいたのか、的を突くようなことを言ってきてびっくりする。

近づいてほしくなくて慌てて、笑顔を作り出す。

『何、言ってるの?そんなわけないよ。』
「……」
『.....私の事なんて気にしなくてもいいから。』


ごまかしたいけど、心操くんの視線が痛い。

正直私の事に関してこれ以上語るのはきつい。

今すぐ話題を変えたい。


『あの、この話はもういいかな、』
「…わかった。じゃあ、これ以上は聞かないけど、…ちょっと一条に用があるからついてきてもらっていい?」
『え、な、なに?』
「いいから」

急に手を掴んだと思ったら、そのまま歩き始める。

びっくりするのもつかの間、着いた場所は自販機だった。

ピッとボタンを押すのが聞こえてくる。

「はい、これ」
『ジュース?』
「ん、」

飲んでと言わんばかりにジュースを渡された。

私が困っている事を察知してくれたのだろうか。

いつも淡々としている印象がある彼だけども、なんだかやけに積極的に行動しているように見えた。

それに、さっきから落ち着きがないように見える。

しばらく沈黙が続いた。

そして、心操くんが何かを決意したかのように口を開く。


「……正直、今言うことでもないけど、聞いてもらっていい?」
『…何を?』
「……覚えてる?次、学校で会ったら、言いたい言葉があるって言ってたよな。」
『……そう、だったね。』
「単刀直入に言うけどさ。」


次の言葉に耳を傾ける。


「俺さ、お前のこと、好きだよ。」


耳を疑うような言葉に、私は目を見開いた。

『…え、』

…なんて、言ったの?
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