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【ヒロアカ】幸せな恋の諦め方【轟焦凍】

第6章 見直しと壁【原作編(雄英体育祭)】


 
 思えば彼の炎を見るのは幼稚園の頃以来になる。綺麗な炎に目がいきそうになるが、それもつかの間、緑谷くんが彼の防御態勢を崩していった。そして、

「これだあぁぁああ!!」

 緑谷くんが勢いをつけて轟くんの鉢巻きを取った。

《残り11秒!こちらも怒りの奪還!》

「待って下さい。この鉢巻き違いませんか!?」
「万が一に備えて鉢巻きの位置は変えてますわ!甘いですわ緑谷さん!」
「轟くん、しっかりしたまえ!危なかったぞ!」

 もう残り時間が少ない。カウントダウンの声が聞こえた。

「常闇くん!!」
「上鳴!!」
「クソデクッ!!」
「麗日さん!」
「おっしゃ~っ!」
「半分野郎っ!」

 緑谷くんチームと、轟くんチームが張り合う中、爆豪くんチームも混ざり三つ巴状態に発展しそうになっていたが、

《タイムアップ!!第二種目・騎馬戦終了!》

 そこで試合は終了した。なんだかあっという間に終わってしまったかのような気持ちになる。それ程騎馬戦の内容が濃厚だった。

《じゃあ早速上位のチーム見てみようか?!》
《1位・轟チーム!》
「…くそっ」

 おめでとうと拍手したかったが、1位のはずの轟くんはあまり浮かない顔をしているのが気になった。
 
《2位・爆豪チーム!》
「だああああ!」

 0ポイントから逆転して2位までたどり着いた爆豪くんのチームも中々凄い。本人は悔しそうにしているが、
 
《3位・鉄て…心操チーム!?いつの間に逆転してたんだよ!》
「ご苦労様」
『あっ!心操くんいつの間に』

 何はともあれ、最後まで残れた事はめでたいことでもあったので彼に拍手を送った。

《4位・緑谷チーム!以上の4組が最終種目へ進出だァ!!》

 気づいていなかったが、最後の瞬間にポイントを獲得できたみたいだった。緑谷くん泣いてる。よかったね。

 すべての上位チームが紹介され、第二種目が終了となった。
 
《それじゃ1時間ほど昼休憩はさんでから午後の部だぜ!イレイザーヘッド飯行こうぜ》
《寝る》

 休憩という事で、観客席にいた人々が徐々に席から離れていくのが目に入る。そしてお昼が過ぎれば最終種目に入るわけだ。それにしても、
 
 (轟くんは何かあったのかな、)

 気にはなるが、こちらからは声をかけられない。それが何とももどかしく苦しかった。
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