第6章 見直しと壁【原作編(雄英体育祭)】
雄英体育祭とは、
ヒーロー科・サポート科・普通科・経営科がごった煮になって学年ごとに各種競技の予選を行うもの、各々の個性を活かし、自己アピールが試される場でもある。
そんな雄英体育祭が正式に実行するということが決まり、普通科の空気はギラついているものがあり、特にヴィランの襲撃を受けていた1年A組のヒーロー科への注目度は高まっていた。
「雄英体育祭…ねぇ、」
『みんなピリピリしてるね。』
「アンタどうするの?」
『あーうん、校長先生に聞いてみようかなと、』
そもそも無個性の私が参加してもいいのか?という疑問はあるが、その上で合格はしているんだろうし、うちのクラスが全員参加する中、学級委員長の自分だけが参加しないというのはできなかった。
「おい、ヒーロー科にいってみようぜ」
「どんな感じの奴らいるんだろ」
考え事をしている最中、多くの男子女子生徒が休み時間を利用してヒーロー科に向かおうとしている事がわかり、思わず焦ってしまった。
『ま、待って!皆!そんな大勢で行ったらダメだよ。』
「委員長、ちょっとだけだって!」
「俺も行く。」
心操くんも頷いて、一緒について行ってしまった。彼らを追うような形で自分もついて行った。
「ななな何ごとだぁ!?」
「君たち、A組になにか用が…」
「出れねぇじゃん!何しに来たんだよ!」
1年A組に到着すると、もうすでに門の前に大勢の生徒があふれており、うちらのクラス以外にも中にはいるみたいだった。
「ほほう、これがヒーロー科か」
『関心してる場合じゃ…』
理央ちゃんはこの状況が面白いみたいで、観察しているみたいだった。見に来るだけにしてほしいが、
「敵情視察だろ、ザコ」
存在感がある男子生徒がゆっくりと門の前まで近づいてくるのが見えた。
「そんなことしたって意味ねぇから。どけモブ共」
「知らない人の事、とりあえずモブって言うのやめなよ!」
敵情視察か、まあヒーロー科を目指して落ちた子もいるし、そう捉えられてしまうのもしょうがないのかな…
「噂のA組どんなもんかと見に来たが随分と偉そうだよなぁ。ヒーロー科に在籍する奴は皆こんななのかい?」
すると心操くんがいつにも増して話し始める。彼のこんな姿を見るのは久しぶりだった。