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【ヒロアカ】幸せな恋の諦め方【轟焦凍】

第5章 出会いと再会【原作編(入学)】



 学校が始まると、スケジュール通り授業が始まった。ただ、ここは雄英高校という事もあって、ヒーロー基礎学(実演なし)は毎週3回ほど組み込まれていた。その授業では今の世の中のヒーローシステムやヒーロに関する様々なものについての授業であった。

『コスチューム要請は、こんな感じなんだな…』
「一条さん、」

 今日学んだ事をノートにまとめながら、そう考えていると、近くにいた女子生徒が声をかけてきた。

『あれ、私の名前‥‥』
「知ってるよ。自己紹介してたじゃん。」
『そ、そういえばそうだった…』

 初日の時間に軽く自己紹介する時間を設けていた事を思い出した。

『そういえば、下の名前なんて言うんだっけ』
「あ、沙耶です。」
『ふーん、じゃあ沙耶、私の事「理央」って呼んで』
「え、よ、よろしく…」
『せっかくだからさ、一緒に昼飯食べよ』

 ショートカットで背が高めの彼女はぐいぐいと話しを進んで自分の席に戻っていった。

 私は彼女について食堂でお昼を食べていた。

「そういえば、沙耶はなんで雄英に来たの?」
『え、それは‥‥』
「いいたくないならいいけど」

 初っ端から踏み込んだ質問をしてきて、一瞬驚いたが、隠すことでもなかったので素直に話した。

『小さい頃、いじめられてた時に助けてくれた子がいて、その子がヒーロー目指していたの。』
「へぇ、」
『いつも助けてばっかりいたから、将来自分もそういう人たちを手助けしたいなって思って、具体的な事はこれから決めていきたいんだけどね。』
「いいじゃん、素敵な理由。男の子だったの?」

 確信の言葉に、そうだよ。と素直に答えると、彼女はニヤッと笑っていた。なんとなく何を言ってくるのか予想できた。

「その子の事好きだったの?」
『‥‥うん』

 曖昧な気持ちが巡ってくる。好きだった。それは事実だったけど、けじめをつけて会わなくなって経っているとはいえ、笑い話にするほどの余裕はまだ持ち合わせていなかった。

「え、どっちなの?」
『うんうん、好き、だったよ。…振られちゃったけど、』

 その言葉を聞いて、まずいと思ったのか手を口に当てていた。

「なんかごめん」
『大丈夫だよ、もう1年以上前だし、』
「大丈夫って顔じゃなさそうだけど、」

 自分でも大丈夫じゃないのはわかっていたけど、そう言うしかなかった。

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